映画『カリガリ博士』あらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想

日本では1921年5月に公開された映画『カリガリ博士』。

この記事では、映画『カリガリ博士』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

ドイツのある村に住む青年フランシスは、老紳士に対して、自身が体験した不思議な出来事を話します。それは、カーニバルにやって来たカリガリ博士と、彼の見世物で夢遊病者であるチェザーレについての話でした。フランシスと一緒にカーニバルに遊びに来ていたアランは、チェザーレから受けた予言通り、誰かに殺害されてしまいます。フランシスは、その犯人がカリガリ博士とチェザーレではないかと疑いを持ちます。

映画『カリガリ博士』のあらすじ(ネタバレなし)

ドイツのある村で、若者のフランシスは、アランと一緒に、カーニバルを楽しんでいました。そのカーニバルにいたのは、チェザーレという名前の夢遊病者でした。チェザーレには、長い間箱の中で眠り続けるという特徴がありました。そのため、カリガリ博士という人の見世物として利用されています。アレンは、気紛れに、自分はあとどれくらい生きられるのかをチェザーレに訊ねます。そうすると、翌日の朝には命を落とすという答えが返ってきました。そして、実際にアランは、翌日の朝に遺体となって発見されます。アレンの遺体には、誰かに危害を加えられた跡がありました。フランシスは、カリガリ博士とチェザーレに疑いを抱き、彼らの身辺を探り始めます。

映画『カリガリ博士』のみどころ

この作品の見どころは、独特の世界観です。夢遊病をテーマにしているということで、現実的にはあり得ない構図でセットが組まれています。また、登場人物のメイクや、カメラの構図なども、独特の雰囲気を作り上げるために工夫されています。そうして、不気味でありながら、どこか心惹かれる世界観が仕上がっています。また、映画としてのストーリーが、高クオリティなのも魅力です。映画史初期の作品でありながら、見る人の意表を突く展開となっています。その複雑なストーリーが、1919年にサイレント映画として作られたことを意識しながら視聴すると、きっと驚けるでしょう。

映画『カリガリ博士』の解説

「カリガリ博士」は、1919年に公開されたドイツ映画です。第一次世界大戦後に起こった、ドイツ表現主義という芸術運動を代表する作品のひとつです。映画としては、ドイツ表現主義作品の中で、最も古い作品だとされています。そして、ドイツだけでなく、世界中の映画に影響を与えました。映画の歴史の中でも古い作品なので、モノクロフィルムで撮影されています。ただ、後から着色する手法が取り入れられていて、一部には色が付いています。また、音も入っていないサイレント映画です。そして、作中で使用するセットは、わざと簡略化したり、歪ませたりしてあるのが特徴です。

映画『カリガリ博士』の感想

「カリガリ博士」は、現代のホラー映画の原点と呼ばれることがあるほど、有名な作品です。そのため、ホラー映画が好きな人は、一度見ておいた方が良いでしょう。また、独特なセットやストーリーなどで、質の高い作品に仕上がっています。なので、古い映画ですが、純粋に楽しめるはずです。

映画『カリガリ博士』の登場人物・キャスト

カリガリ博士ヴェルナー・クラウス
チェザーレコンラート・ファイト
フランシスフリードリッヒ・フェーエル
ジェーンリル・ダゴファー
アランハンス・ハインツ・フォン・トワルドウスキー
オルセン博士ルドルフ・レッティンゲル

映画『カリガリ博士』のスタッフ

監督ローベルト・ヴィーネ
脚本ハンス・ヤノヴィッツ
カール・マイヤー
製作エリッヒ・ポマー
撮影ウィリー・ハマイスター