
日本では2001年11月17日に公開された映画『アメリ』。
この記事では、映画『アメリ』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
パリのモンマルトルに暮らす一人の女性・アメリのちょっと変わった日常を描いた作品です。アメリは周囲とうまくコミュニケーションを取ることができず、自分の中の空想で一人遊びすることが好きな女性です。そんなアメリが、自分の部屋で見つけた子供の「宝箱」の持ち主を探すことで、外の世界とつながることの素晴らしさを実感し、自分ひとりの世界から踏み出すのです。
映画『アメリ』のあらすじ(ネタバレなし)
神経質で教師だった母親と、子供に無関心な医師の父親のもとでアメリは大きくなります。両親ともスキンシップに飢えていた子供時代、唯一父親がアメリに触れるのは、健康診断で聴診器を当てるときだけでした。父親が聴診器でアメリに触れると、アメリはドキドキ胸が高鳴ってしまい、この心音を心臓の病気だと思いこんでしまった両親は、アメリを学校へ行かせず、家の中で過ごさせました。そのため、アメリは自分の中の空想世界で一人で遊びながら大きなりました。
アメリは大人になってカフェで働きながらひとり暮らしを始めましたが、子供の頃から変わらず、空想の世界に浸る日々でした。そんなアメリが、自分の部屋で前の住人の忘れ物を発見します。その忘れ物を持ち主に届けると、アメリは人を幸せにすることに喜びを感じ、外の世界と関わっていくことに目覚めるのです。
映画『アメリ』のみどころ
「アメリ」と言えば、その色彩表現の豊かさです。どのシーンをみてもきれいで可愛いもので溢れていて、絵画作品のように楽しむことができます。アメリの部屋のカーテン、ベッド、テーブルはおしゃれで可愛らしいものばかりで、飾られた小物も同様です。パリの町並み、お店の店先に並ぶものも素敵で、登場人物たちの衣装も鮮やかな色・柄でうっとりします。有名なワンシーン、ベッドルームでアルバムをめくるアメリの背景は真っ赤な壁紙です。このシーンはDVDのパッケージにも採用されていました。
一方で、作品内ではフランス映画らしいブラックジョークや、皮肉めいたセリフも散りばめられており、それらも楽しめる映画となっています。
映画『アメリ』の解説
フランスで2001年4月に公開され、その後日本でも公開されました。「アメリ」は世界的なヒット作となり、「アメリ現象」と呼ばれました。主人公のアメリを真似て、前髪を短くカットしたボブヘアにする女性が増えたり、作品中にアメリの好物として登場するクリームブリュレ、数々登場するフランス雑貨、真っ赤な壁紙なども話題になりました。
登場するパリの街や駅舎は実際の場所でのロケ撮影ですが、映画の世界観を表現するため、貼ってあるポスターを張り替えたりセットを組んだりしたとのことです。
2001年アカデミー賞 外国語映画賞、美術賞、撮影賞、音響賞、脚本賞ノミネート
2001年ゴールデングローブ賞 外国語映画部門ノミネート
映画『アメリ』の感想
「アメリ」をみていると、その独特の世界観に引き込まれてしまいます。全体的にセリフも少なめで、重要なシーンほど、表情や仕草で語る場面が多いと思います。ゆったりしたリラックスタイムに、じっくり楽しめる大人な映画です。
映画『アメリ』の登場人物・キャスト
アメリ・プーラン | オドレイ・トトゥ |
少女時代のアメリ | フローラ・グイエ |
ニノ・カンカンポワ | マチュー・カソヴィッツ |
少年時代のニノ | アマウリー・バボー |
レイモン・デュファイエル | セルジュ・メルラン |
リュシアン | ジャメル・ドゥブーズ |
マドレーヌ・ウォラス | ヨランド・モロー |
マダム・シュザンヌ | クレール・モーリエ |
ジョゼフ | ドミニク・ピノン |
ジーナ | クロティルド・モレ |
ジョルジェッド | イザベル・ナンティ |
イポリト | アルチュス・ド・パンゲルン |
コリニョン | ユルバン・カンセリエ |
ドミニク・ブルトドー | モーリス・ベニシュー |
少年時代のブルドトー | ケヴィン・フェルナンデス |
ラファエル・プーラン | リュファス |
アマンディーヌ・プーラン | ロレーラ・クラヴォッタ |
エヴァ | クロード・ペロン |
フィロメーヌ | アルメール |
映画『アメリ』のスタッフ
監督 | ジャン=ピエール・ジュネ |
脚本 | ギヨーム・ローラン |
音楽 | ヤン・ティルセン |
ナレーション | アンドレ・デュソリエ |