
日本では1994年8月13日に公開された映画『青いパパイヤの香り』。
この記事では、映画『青いパパイヤの香り』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
舞台はベトナム、サイゴン。10歳のムイはあるお金持ちの家で、奉公人として働くことになります。その家は裕福なのにも関わらず、どこか家族の関係がギクシャクしていました。ムイは幼いながらにも、先輩であるティーと共に懸命に家事をこなしていきます。ある日、朝ごはんの用意をしていたムイは、先祖の写真が並ぶ中に幼い女の子の写真が並んでいることに、気づくのでした。
映画『青いパパイヤの香り』のあらすじ(ネタバレなし)
幼い少女のムイは、ある豪邸に仕えることになります。豪邸の住人は、優しい母親、放浪癖がある父親、息子が3人、おばあちゃんの6人家族でした。裕福な家庭にも関わらず、どこかよそよそしい雰囲気を醸し出す家族でしたが、ムイは気にすることなく懸命に仕事に励むのでした。そんなムイに対して、母親は自分の娘であったトーを重ねて懐かしんでいました。ある朝、年配の奉公人であるティーと共に、朝ご飯の用意をしていたムイ。テーブルの上に並べているときに、ふと祭壇に目を向けます。そこには、ご先祖様の写真と共に小さな女の子の写真が飾ってありました。ムイの視線から、家族の想いや心情を描き出していく作品です。
映画『青いパパイヤの香り』のみどころ
- この作品の見どころは、古き良きベトナムの文化を楽しめるところです。ムイが作っている料理であったり、ベトナム独特の骨董品であったり、見ていてベトナムの良さを感じることができます。また、この作品はセリフ自体はそこまで多いわけではないのですが、空気感がとても良く、気づいたら作品の世界に見入ってしまう魅力があります。ベトナムの暑さも見ていてジワジワ伝わってきますし、臨場感があるところも見どころです。また、ムイが懸命に仕事をこなす姿も見どころです。ムイは余計な言葉を発することなく、静かに仕事に取り組みます。そのムイの真剣に仕事をする姿が、とても美しくて女性の強さを感じられる作品です。
映画『青いパパイヤの香り』の解説
「青いパパイヤの香り」は1993年にフランスで公開、1994年に日本で公開された作品です。この作品は、フランスとベトナムの合作映画になり、監督を務めたトラン・アン・ユン監督のデビュー作品になります。1993年に開催された第46回カンヌ国際映画祭において、新人監督賞であるカメラ・ドールを受賞されました。また、アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされました。主演のムイ役を演じたトラン・ヌー・イェン・ケーは、この作品に出演したことをきっかけに、トラン・アン・ユン監督と出会い、公私ともにパートナーになりました。この作品のキャストは、ほぼフランスに住んでいるベトナム人の方で構成されているとのことです。
映画『青いパパイヤの香り』の感想
幼い少女であるムイが、とても落ち着いていて仕事にも一生懸命で、見習いたいところが多々ありました。奉公に行った先の家族との関係も、うまくバランスをとっていて、ムイの女性としての強さや人間力に尊敬の念を持ちました。
映画『青いパパイヤの香り』の登場人物・キャスト
ムイ | トラン・ヌー・イェン・ケー |
母親 | トルゥオン・チー・ロック |
父親 | トラン・ゴック・トゥルン |
チュン | タリスマン・バンサ・ラム |
ラム | ソウヴァンナヴォング・ケオ |
ティン | ネス・ガーランド |
クェン | ヴァン・ホア・ホイ |
ティー | グエン・アン・ホア |
映画『青いパパイヤの香り』のスタッフ
監督 | トアン・アン・ユン |
脚本 | トアン・アン・ユン |
製作 | アデリーヌ・ルカリエ アラン・ロッカ |
製作総指揮 | クリストフ・ロシニョン |
音楽 | トン・ツァ・ティエ |
撮影 | ブノワ・ドゥローム |